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ほうじ茶に含まれるカフェイン量と効果、1日の摂取目安量や他のお茶との比較も解説

緑茶やコーヒーに含まれるカフェインは、摂取すると「寝つきが悪くなる」、摂りすぎると「体に害を与える」デメリットがありますが、つい飲み過ぎてしまいがちです。
本記事では、ほうじ茶に含まれるカフェイン量やその効果、一日の摂取量目安について解説します。
記事を読めば、子供や妊婦、授乳中の方でも害のない摂取量がわかり、安心してほうじ茶を楽しめる事が出来ます。

ほうじ茶に含まれるカフェイン量

ほうじ茶に含まれるカフェインは浸出液100mlあたり20mg
(標準的な淹れ方である茶碗150mlあたりでは、30mg)

後述する他のお茶に含まれるカフェイン量と比較すると少ないと言えます。新芽を十分固くしてから収穫したり、焙煎する過程でカフェインが失われたりしますので、カフェインの含有量が少なくなるのです。

ほうじ茶以外の飲み物に含まれるカフェイン量

玉露は浸出液100mlあたり270mg含まれます。

被覆をして高級な柔らない新芽を使う玉露にはあのまろやかな味からは想像しにくいのですが、意外
とカフェインが多く含まれます。(標準的な淹れ方の茶碗一杯60mlあたりでは160mg)

抹茶は浸出液100mlあたり70mg含まれます。

抹茶も被覆をして高級な柔らない新芽を使うので、ほうじ茶よりカフェインが多く含まれます。(標
準的な淹れ方である茶碗一杯70mlあたりでは48mg)

 コーヒーは浸出液100mlあたり60mg含まれます。

コーヒーとカフェインとのかかわりは良く知られていますよね。ほうじ茶の3倍程度含まれているの
ですが、意外とそれより抹茶や玉露の方が多くのカフェインを含みますので、この2種類のお茶はコ
ーヒー以上に飲み方に気を付けるべきかと思われます。
(標準的な淹れ方であるコーヒーカップ一杯150mlあたりでは90mg)

紅茶は浸出液100mlあたり30mg含まれます。

紅茶は発酵を促すために一般的に緑茶より熱を加える工程が少なめで製造されます。したがって、
カフェインが製造中に破壊されにくいため緑茶に比べて少し多めのカフェインが含まれています。
(標準的な淹れ方であるティーカップ一杯150mlあたりでは45mg)

ウーロン茶は浸出液100mlあたり20mg含まれます。

ウーロン茶の原料茶葉はほうじ茶とほぼ同じなので、カフェインはほぼ同量の浸出液100mlあた
り20mg含まれます。(標準的な淹れ方である茶碗150mlあたりでは、30mg)

玄米茶は浸出液100mlあたり10mg含まれます。

玄米茶はほうじ茶と同じような原料にさらにノンカフェインの玄米をミックスしたものなので、
カフェインはほぼ半量の浸出液100mlあたり10mgとなります。ただし、カテキンなどの機能性
成分の含有量も緑茶に比べて少なめです。(標準的な淹れ方である茶碗150mlあたりでは、
15mg)
(出典:菱和園HPより)

ほうじ茶のカフェインが少ない理由

原料に含まれる量が少ない

なぜ、ほうじ茶のカフェイン量はほかの茶種やコーヒーより少ないのでしょうか。一般的に高級茶
ほど多くのカフェインを多く含みます。ほうじ茶の原料は新芽を十分固くしてから収穫しますので、  
もともとカフェイン含有量が少ないのです。

焙煎によってさらに減る

ほうじ茶は原料茶を高温で焙煎します。その際一部のカフェインは壊れますので、ほうじ茶に含まれるカフェインは他の茶種より少ないとされています。(出典:日本茶のすべてがわかる本より)

カフェインの効果

覚醒作用

コーヒーでもおなじみですが、カフェインには強い覚醒作業、つまり目覚ましの作用があります。お茶は中国から日本に伝えられたときは修行僧の気付け薬として持ち込まれてきました。つまり、先人はお茶に優れた覚醒作用があることを巧みに利用してきたのです。

利尿作用

カフェインは、中枢神経の働きを活発にする機能があるとされています。腎臓に対して作用すると、腎
臓機能を活発にして、利尿を促進する作用があるとされます。

強心作用

カフェインが心臓に働きかけた場合は、心臓の収縮力を増大させ、強心の効果をもたらすとされています。

代謝促進

カフェインには、体の代謝機能を促進する作用があるとされます。これをうまく活用すればダイエット
にも効果が期待できます。
(出典:日本茶のすべてがわかる本ー日本茶検定公式テキストより)

カフェイン摂取量から換算した飲んで差し支えないほうじ茶の目安量

カフェイン含有率少なめのほうじ茶は、他の玉露や抹茶、コーヒーなどより多い目に飲んでもいいと思われますが、飲みすぎは禁物です。
以下、カフェインの一日の摂取量の目安をもとに飲んで差し支えないほうじ茶の量を示します。
(注:個人差があります:厚生労働省HPより)

成人は一日あたりほうじ茶2リットルまで 

カフェイン摂取は 一日400㎎までとされていますので、ほうじ茶に換算すると一日2リットルまでとなります。

妊婦は一日あたりほうじ茶1リットルまで

妊婦がカフェインを摂り過ぎることにより、出生児が低体重となり、将来の健康リスクが高くなる可能性があることから、カフェイン摂取は一日当たり200mgまでとされています。
出典:厚生労働省~食品に含まれるカフェインの過剰摂取について

授乳中の女性はほうじ茶1リットルまで

 母乳に含まれたカフェインを赤ちゃんが摂取すると、寝つきが悪くなったり、落ち着きがなくなったりする可能性があることから、カフェイン摂取は一日あたり200gまでとされています。

子供は一日あたりほうじ茶225ミリリットルまで

子供(4歳~6歳)がカフェインを摂りすぎると吐き気やめまい、下痢などを引き起こす可能性があることから、カフェイン摂取は一日当たり45mgまでとされています。子供の摂取量は、体の成長に合わせて徐々に増えていきます。

カフェインのデメリット

寝つきが悪くなる

カフェインのデメリットは覚醒作用が速やかであるため、就寝前に飲むと寝つきが悪くなることです。
これは薬の用法違いと同じことで、個人差はありますが就寝前はあまりお茶を飲まない方が良いかと思い
ます。

カフェインを摂りすぎるとめまい、興奮、不安といった害を及ぼす。

カフェインは、体の機能を活発にするが故に、摂りすぎるとめまい、興奮、不安等の害を及ぼすとされています、要するに過剰摂取をしないことが大切です。

カフェインレスにすると心地よい苦みが失われる。

カフェインのデメリットからカフェインレスカフェインにするという考えがあります。ただ、カフェインは茶の苦みの元となっており、これを抜いてしまうとお茶特有のさっぱりした心地よい苦みが失われてしまいます。また、お茶の機能性成分であるカテキンの効果をサポートすることも知られていますので、適量を守って正しく飲む方が良いと思われます。(出典:日本茶のすべてがわかる本より)

おいしい!体にいい!ほうじ茶とのうまいおつきあいあれこれ

ほうじ茶でほっこりする女性

ほうじ茶はリラックス効果満点

お茶にはリラックス成分であるテアニンが多く含まれますので、リラックスしながら目覚ましもできる、優れた飲み物といえます。また、ほうじ茶独特のピラジン類などの香ばしい香り成分も、リラックス効果を引き立てる成分とされています。

寝る前には飲まない。正しく飲んで健康飲料

今までのことをまとめると、ほうじ茶は他の茶種よりは少ないもののカフェインが一定量含まれているため、覚醒効果で寝つきが悪くなる恐れがあります。就寝前にはあまり飲まない方が良いと思います。

また、飲みすぎも禁物。一日の摂取目安を守るなど注意すれば、ほうじ茶は体によく、リラックス効果のある健康飲料です。TPOに合わせてうまく付き合っていただければと思います。

まとめ

  • ほうじ茶に含まれるカフェインは浸出液100mlあたり20mg(標準的な淹れ方である茶碗150mlあたりでは、30mg)
  • 他のお茶と比べてカフェイン量が少ない。
  • 覚醒作用、利尿作用、強心作用、代謝促進といった効果がある。
  • カフェインを摂りすぎると寝つきが悪くなったり、体に害を及ぼしたりする。
  • 妊婦、授乳中の女性、子供は摂取量に特に気を付ける。
  • ほうじ茶を就寝前に飲むのは控える。

ほうじ茶に含まれるカフェインには、お茶特有のさっぱりとした心地よい苦みがあったり、カテキンの作用をサポートする働きがありますので、デメリットを恐れずに上手に付き合うと良いでしょう。