土山一晩
ほうじとは

じつは茶産地、
滋賀・土山にて

日本茶発祥の地、滋賀県・近江。
その北東に位置する土山もまた古くからの茶産地です。

年間約435tの生産量を誇り、
近江の茶の70%近くが、実は土山産。
しかし、滋賀県のお茶生産量は全国で13位。
正直なところ、知名度が高いほうではありません。

それでも、肥沃な土壌と清らかな水に恵まれ、
昼夜の寒暖差が大きい土山は、
肉厚で、香り・旨味の強い高品質な茶葉の栽培には最適。
土山産茶葉は全国に出荷されてきました。

そんな土山の茶農家、茶匠が、産地全体で協力しあい、
何やら面白いお茶をつくり始めています。

土山の茶農家・茶匠の方々の写真

香り×香りの
お茶ができました

土山の茶農家、茶匠が集まってつくり始めたのが
「土山一晩ほうじ」というお茶です。

このお茶の面白さの一つが
「萎凋(いちょう)」と「焙煎」のかけ合わせで生まれる香り。

萎凋とは摘みとった茶葉を寝かせてしおらせること。
この過程で茶葉は微発酵し、
ほの甘い花のような香りを放ち始めます。

また、焙煎とは茶葉を焙じること。
いわゆるほうじ茶の製法で、茶葉を火で炒ることにより
芳ばしい香りが立ちのぼります。

土山一晩ほうじは、この萎凋と焙煎の両方を経て、
2系統の香りが交差する、香り高いお茶になるのです。

茶葉を両手で丁寧に集めている様子

茶農家・茶匠の
持ち味を

土山一晩ほうじのもう一つの面白さ。
それは、土山の茶農家、茶匠が協力して、
それぞれに自分のところの土山一晩ほうじをつくるという点。
一口に土山一晩ほうじといっても、香りも味も一通りではないのです。

土山の茶葉を使って一晩以上かけて萎凋させる、
土山で焙煎する、という製法は同じ。
しかし、萎凋と焙煎の具合は千差万別、
幾通りもの香り・旨味が生まれるのです。

一晩つきっきりで萎凋に心血を注ぐ茶農家、
温度を細かく整え、焙煎で狙い通りの香りを生み出す茶匠、
それぞれの持ち味が、それぞれの土山一晩ほうじに隠れています。

茶農家・茶匠の方々が茶葉を選定している様子

なにしろ百聞は
一飲に如かず。
まずは飲んでみてください。

淹れたての温かいほうじ茶の写真