「うちの土山一晩ほうじ」
萎凋度合いの違う2種の茶葉に、
2種の焙煎を施したこだわりのほうじ茶です。
軽やかな芳ばしさの中に、華やかな香りを楽しめます。
すっきりとした後味に仕上げているのも特長なので、
ぜひ楽しんでいただけたらうれしいです。
マルヨシ近江茶は明治35年の創業、私は7代目です。
村の庄屋さんからの、のれん分けで始まったと聞いています。
ほうじ茶専門店の近江茶丸吉と、
茶房の焙楽は私の代になって開業しました。
創業当時から製茶問屋として
いろんなお茶を扱ってきたんですが、
うちには昔から焙煎の設備があったので
ほうじ茶の加工を依頼されることが多かったようで。
それで、長年積み重ねてきた焙煎の技術を形にしようということで、
近江茶丸吉は、
ほうじ茶専門にしたんです。
茶葉は茶農家さんから仕入れて、
うちで狙った味にブレンドと焙煎をしています。
どちらも品質を安定させるためには大事な工程です。
焙煎は原料に合わせて調整が必要です。
焙煎機の温度と回転数、時間をコントロールすることで、
味や香りが変わってきます。
たとえば、早く回転させれば葉脈がふくらんで、
焙煎香が立ちやすくなるし、ゆっくり回転させれば、
葉脈のふくらみが抑えられて、味わいが増すんです。
畑や収穫時期によって原料にはバラツキがあるので、
ブレントしたり、焙煎の具合を調整するんです。
焙煎も茶匠の大事な仕事ですね。
私は次男なんですけど、
高校1年生のときに
この道に入ると決めました。
大学の工学部に進学することになった兄貴に「頼むで」って言われて、
「任せてくれ!」って。なんの疑問も持たなかったです。
小学生のころからよく手伝っていましたしね。
実家の目の前が工場で、学校から帰ったら遊びに行ってました。
昔は葬儀の供物にお茶が選ばれることが多くて、
「明日の葬式までに何百個」なんて注文もしょっちゅう。
お茶の封入はできませんでしたけど、
箱を組んで詰めるのが私の役目でした。
摘み取りの時期には、刈りとったお茶を袋に入れて担いで、
近所の製茶工場に持って行く手伝いをしました。
工場がね、新芽が蒸されて
すごくいい匂いで。
見たこともない機械設備が並んでるのも、わぁ!っと興奮しました。
年に一回しか行けない特別な場所だったので、今でもよく覚えています。
お茶の世界に入る前は、お茶なんてどれも一緒だろう、
くらいに思っていたんですけど、全然違ってました。
知れば知るほど奥の深さを感じますね。
お茶のおいしさは
30歳を超えてわかりました。
とにかくたくさんお茶を淹れて飲んで、理解しようとしたのもありますが、
突然、「お茶って無茶苦茶美味しいな」って感じるようになりました。
全国茶審査技術競技大会といって、
品種や収穫時期、産地などを判別する
審査技術を競う競技大会があるんですが、
最高位の十段に手が届きそうだなと感じたのも、
このころだったと思います。
結婚してからは、朝起きたらまずお湯を沸かして、
家族分のお茶を淹れるのが日課です。何ででしょう?
自分好みのお茶に入れて家族にも押しつけたいからですかね(笑)
思えば、小学生のころから、
自分で急須でお茶を淹れて飲んでましたよ。
淹れ方は気分で変えます。
朝は緑茶を飲むことが多いんですが、
夏は急須に茶葉と少しのお湯を入れて濃いめに出して、
氷を入れて急冷する。
煎茶のロック、
めちゃくちゃ美味しいですよ
で、夜はほうじ茶。
夕飯のあとに子どもたちと一緒に甘いものを食べることがあるんですが、
ケーキには発酵の強いもの、
クッキーには焙煎が強いものを合わせたりしています。
萎凋度合いの違う2種の茶葉に、
2種の焙煎を施したこだわりのほうじ茶です。
軽やかな芳ばしさの中に、華やかな香りを楽しめます。
すっきりとした後味に仕上げているのも特長なので、
ぜひ楽しんでいただけたらうれしいです。
どんな時に飲むのがおすすめですか?
「アフタヌーンティーに」
家族やお友達とゆっくりお話をしながら、
お茶とお菓子を楽しむアフタヌーンティーに、
ぜひ土山一晩ほうじを飲んでいただきたいですね。
一晩ほうじは、和菓子はもちろん、洋菓子にもよく合うので、
コーヒーや紅茶と同じように、
飲み物の選択肢のひとつとして選んでいただけるように
なったらいいなと思います。
何とあわせるのがおすすめですか?
「チーズケーキ」
交互に口に含んで、チーズ感を味わいつつ
お茶を飲むのがおすすめです。
今日用意したのは「焙楽」でも出しているメニューです。
チーズケーキは、下がプレーン、上がほうじ茶入りの2層で、
2種類のほうじ茶のパウダーをブレンドしたものをかけています。
ほうじ茶と乳製品って、
よく合うんですよ。
このほうじ茶のトリュフチョコは、ホワイトチョコがベース。
なのでビターなほうじ茶が合いますね。
エスプレッソのように濃く抽出して、
ガツンと苦味をきかせたほうじ茶を合わせるのも、
個人的には好きです。
こうしたしっかりと甘いものには、苦味とか渋味を合わせていくと、
バランスがいいですよ。